『小説家 遠藤周作の言葉』

『人間、好奇心がなくなったらおしまいだ』小説家 遠藤周作の言葉


(1)

神とは背中を

そっと

押してくれるような働きである。



(2)

人間には

どうしても動かせない

運命というものがある。

その運命の支配する限り、

どんなに努力しても仕方がない。



(3)

自分の考えだけが

何時も正しいと信じている者、

自分の思想や行動が決して

間違っていないと信じている者、

そしてそのために

周りへの影響や迷惑に気づかぬ者、

そのために他人を不幸にしているのに

一向に無頓着な者

――それを善魔という。



(4)

人間には

この世に生きていくためには、

他人に対する『けじめ』がある。



(5)

仕事とは誇りだ。

誇りを失って儲けるのは

己の仕事への尊重を失うことだ。



(6)

人間、

好奇心がなくなったら

おしまいだ。



(7)

人は

人の前を横切らずには

生きていけない。



(8)

不幸や苦痛は

それがどんな種類であれ、

人間に孤独感を同時に与えるものだ。



(9)

人生は

どんな外形をとっても

本質は同じものなのである。



(10)

人間の野心はあさましい。

野心は人間をあさましくする。



(11)

人間の

醜悪な欲望は

尽きることがない。



(12)

私は、死というのは、

この世界から

新しい生命に入る通過儀礼だと

いうふうに思っています。

通過儀礼ですから、

それは試練であり、

そして恐怖があり、

苦しみが伴うのだと思います。



(13)

人間には、

どんなに努力しても

成ることと成らぬことがある。



(14)

いかなる場合でも

弱い人間は自己弁解をする。



(15)

生活と人生とは違う。