ユーモアで乗り切る!

【ユーモアで乗り切る】

西沢泰生(やすお)氏の心に響く言葉より…

これは、戦後の名宰相、吉田茂が、焼け野原で飢えに苦しむ国民を救うために連合国軍最高司令官マッカーサーに直訴した時のエピソードです。

吉田首相はマッカーサーに、「450万トンの食糧を緊急輸入しないと日本の国民は餓死してしまう」と訴えます。

しかし、その訴えもむなしく、実際にアメリカから輸入できた食糧は、6分の1たらずの10万トン。

それでも、結局、餓死者は出なかったのですが、今度はそのことについてマッカーサーのほうが吉田首相にイチャモンをつけてきました。

「ミスター・ヨシダ。私は日本に10万トンの食糧しか渡さなかったが、餓死者は出なかったではないか。

日本の統計はいい加減で困るね」

そのときの答えが…

「当然です。もし日本の統計が正確だったら、アメリカと戦争なんて始めません」

吉田首相、ジョークで返すだけでなく、ちゃっかりアメリカをヨイショしているところがウマい。

この見事な切り返しに、マッカーサーは腹を抱えて笑ったと伝わっています。

丁々発止のやりとりがくり広げられる政治の世界。

ピンチでジョークの一つも言えないような政治家は世界では評価されません。

逆に、ピンチでも、あわてず騒がず気の利いたジョークを返せる政治家は評価が高い。

アメリカでかつて、共和党のレーガン大統領がピストルで狙撃されて病院へ 運ばれた時、医師たちに向かって「君たち全員が共和党員であることを祈るよ」とジョークを飛ばしたという有名なエピソードがあります。

このジョークに対して民主党員の医師が、「ご安心ください。今日1日は全員が共和党支持者です」と返したそうです。

それでも、このエピソードはレーガン大統領の人気アップに貢献しました。

国内での評価がパッとしないまま政権を終えた麻生太郎元首相は、海外での人気が意外に高いのだそうです。

それは、国連総会の場で麻生首相がスピーチをした時のこと。

突然のマイク故障というハプニングで、しばらく待たされた麻生さん、壇上に立つとマイクをしげしげとながめて英語でこう言ったのです。

「やっぱりね。このマイク、メード・イン・ジャパンじゃないや」

このひと言で場内は爆笑に包まれ、麻生首相は「ピンチでジョークが言える日本人」として株を上げたのだとか。

俳優から政治家になったシュワちゃんこと、アーノルド・シュワルツェネッ ガーにはこんなエピソー ドがあります。

2003年、カリフォ ルニア州知事選の立候補者として演説会場に現われたシュワちゃんに、生タマゴが投げつけられました。

タマゴは見事に命中。

しかし、シュワちゃんは顔色一つ変えず、背広にべったりとついたタマゴをぬぐいながら壇上に。

そして、タマゴを投げた犯人に対して、ひと言、こう言ったのです。

「ベーコンの貸しだ」 つまり、「タマゴだけじゃベーコンエッグができないから、今度はベーコンを投げて来い」という意味のジョークです。

このジョークがウケたからかどうかはわかりませんが、このあとシュワちゃんがカリフォルニアの州知事に当選したのはご存じの通り。

ピンチの時。

たとえば、「ここでうろたえたらカッコ悪いな」「ここで怒ったらケツの穴が小さいと思われるな」という時。

ぜひ、ジョークで返せないか考えてみてください。

そうすると、「おっ、何か余裕があってカッコいいぞ、自分」と思えます。

ピンチの時に、そう思えればしめたもの。リラックスすることができて、それがいい結果につながるはず。

そして、「ピンチでも、ユーモアを忘れないあなた」は、場を和ませ、頼られる存在になり、「周りからの評価」も上がる……はずです。

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つい先日、アカデミー賞授賞式で、妻の容姿をからかうコメディアンに対して、ウイル・スミスが平手打ちをするという事件が起きました。

結局、平手打ちしたウィル・スミスにたいして、10年間授賞式への出席を禁止するという措置がとられました。

この措置に対しては、賛否両論ありますが、ただ言えることは、ひどいことをされたときに「ユーモアで返す」、ということがいかに大切か、ということです。

怒りで返すのか、ユーモアで返すのか、によって周りの見方や評価はまったく違います。

「ふところの広い人だな、余裕があってカッコいい人だな」と思われるか、「感情にまかせてすぐに怒ってしまう小さい人だな、余裕のないカッコ悪い人だな」と思われるか、です。

とっさに反応しなければならないので、実際には本当に難しいことですが、日頃、感情をコントロールする訓練だけはしておく必要があります。

アンガーマネジメント(怒りのコントロール)です。

つまり、「怒り」と生きるか、「ユーモア」と生きるか、です。

どんなピンチも、ユーモアで乗り切れる人でありたいと思います。

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