「アンパンマン」の生みの親、やなせたかしさん。
彼のヒーロー像には、深く切実な願いが込められています。
やなせさんは、戦争の中で極限の飢えを体験しました。
そのとき痛感したのは、「生きていて一番つらいのは、飢えること」だということ。
さらに戦後、彼は知ります。
状況次第で簡単にひっくり返る正義ほど、頼りないものはない。
では、揺るがない正義とは何か。
やなせさんの答えは「献身と愛」。
敵を倒す力ではなく、
お腹をすかせた人に、自分の食べ物を分けられる心。
それが、誰もが持てる真の正義だと。
この思想から生まれたのが、アンパンマン。
自分の顔をちぎって差し出す、
最弱とも言えるヒーローです。
強さよりも優しさを選ぶ。
その勇気が、一番強いのだと教えてくれます。
やなせさんの人生は、弟の死や病など、多くの悲しみを抱えた道のりでした。
それでも、70歳を過ぎてから大ヒットをつかみ、
94歳まで現役を貫きました。
震災の時、アンパンマンの歌が多くの人を励ましたように、
やなせさんのヒーロー観は、今も人々を救い続けています。
「何のために生まれて、何をして生きるのか」
その問いへの答えは、誰かのために動ける優しさ。
やなせさんは、アンパンマンを通じて語りました。
愛と勇気こそ、最強の力なのだと。
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