ほろりと泣けてくるいい話

ある男子高校生がいました。父親がとび職の工事職人さん。
しかし、体中、泥とホコリにまみれて真っ黒な姿で帰ってくるそんな父親になぜか、嫌悪感を抱いていました。
そんなある日、通りかかったある高層ビルの建築現場で、彼は見たのです。
建築中のビルのはるか上の階で、命綱をつけて汗まみれになって懸命に働いている父親の姿を…。
もし、足を踏み外して転落したら間違いなく即死しかねない。
それはまさに、家族のために命がけで働く父の姿でした。
それから、彼の父に対する見方は変わり、今まで父をさげすんでいた自分を恥ずかしく思い、尊敬の思いさえ抱くようになったそうです。
 

世の中には色々な仕事があります。例え肉体労働でなくとも、それなりのつらさ、苦労は付き物です。
そして、仕事は見かけで判断してはいけない。
そして、仕事に優劣の差など、なし。
どんな仕事も尊いと思うのです。

西沢泰生著「ほろりと泣けてくるいい話33」より