【土俵際に追いつめられても】

萩本欽一氏の心に響く言葉より…

《土俵際に追い詰められても、 俵に足をかけて歯をくいしばれば、 そこからなにか得られる》

「いいコメディアンになるには、どうしたらいいんでしょう?」

才能がないって自覚した僕は、先輩を見るとこう聞いてました。

そうしたら、こう言ってくれた人がいたんです。

「なにしていいかわかんなけりゃ、 先輩のまねしてな」

それで僕、一時間の芝居を丸ごと覚えて、先輩のまねをしてみることにしました。

朝早く劇場に行って、掃除をすませてから舞台に立って、一人でぜんぶの役を演じてたの。

そんなことをつづけていたある日、演出の先生がみんなを集めてこう言いました。

「おい、今日は主役が休むって。だれか主役のせりふぜんぶ覚えてるやついるか?」

僕は覚えてましたけど、 ペーペーの新人が名乗りでるわけにもいかない。

でも、みんな黙りこくったままなので、勇気をだして手をあげちゃいました。

「お前が手をあげたってどうにもなんないんだよ、この芝居は!」

先生がそう言ったら、先輩の東八郎さんが「今日一日だし、こいつにやらせてみれば」って助け舟をだしてくれて、 かけだしの僕が主役をやらせてもらったんです。

舞台でも東さんに助けられてなんとかこなしましたけど、すっごいへたくそ。

終わると支配人に呼ばれたので、なんか怒られるのかと思ったら、「おい欽坊、このやろ~! お前はなあ〜、誰もやってなかったことをきちっとやってて、偉いんだよ! 月給、倍にしてやる!」

このあともいい役をもらったり、幸運がつづいたんです。

「才能ない」「向いてない」って言われて土俵際に追いつめられても、踏ん張ることが大事だなって思いました。

俵に足がかかっても、歯をくいしばれば、そこからぜったいなにか得られる。

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急に舞台の主役が倒れ、急遽、主役の代役ができるのは、主役のセリフと演技を覚えていた人だけだ。

「幸運とは、準備がチャンスに出合うこと」(オプラ・ウィンフリー)

チャンスは、夢や希望がない人にはやってこない。

夢や希望がなければ、チャンスがやってきてもそれに気づかないからだ。

そして、チャンスに気づく人は、失敗を恐れず夢に向って行動する人。

「人生において必ず幸運が訪れます。その幸運を逃さないように準備することが大切」

女優で歌手のジュリー・アンドリュースの言葉だ。

準備をしていない人には、チャンスは見えず、目の前を通り過ぎてしまう。

スポーツでも、学業でも、事業でも、コツコツと地道な努力という「準備」を重ねること以外に、成功する道はない。

「土俵際に追いつめられても、踏ん張ることが大事」という言葉を胸に刻みたい。