『プロフェッショナル100人の流儀』

『プロフェッショナル100人の流儀』
(藤尾秀昭・監修)

本日は、社会教育家として活躍されている
田中真澄氏が語られた商売成功の極意を
ご紹介いたします。

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田中真澄(社会教育家)
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商売というのは
簡単なんだよ。

太陽のように
生きればいいんだ

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父は元軍人で私たち一家は
戦後、いまの韓国・釜山から日本に引き揚げてきました。
ところが、日本が独立するまでの六年半、
父はパージによって公職に就くことができず、
過酷な行商で家族の生活を支えたのです。

日本国内が食べるものに事欠いていた頃までは、
行商でもなんとか食いつないでいけましたが、
物が豊かになるにつれて厳しさは増していきました。

それでも父は決して行商をやめようとせず、
朝早くから夜遅くまで人の二倍、三倍、
汗水流して黙々と働きました。

私はそういう父の後ろ姿をとおして
「人間は命懸けで打ち込めば生きられるのだ」と教えられたのです。

父は軍人だっただけに商売には全く不慣れでしたが、
ある人からこう教わったそうです。

「田中さん、商売というのは簡単なんだよ。
太陽のように生きればいいんだ。

太陽は二つのものを人に与えてくれる。

一つは熱。
熱意を持って人に接すれば、その熱は自然と相手に伝わる。

もう一つは光。
光を与えて相手を照らし、関心を持って
その人の存在を認めてあげることが大事なんだ」

父は生前、

「俺は商いのことは何も知らないが、
この二つだけは心の支えにしてきた」

と私に話していました。


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