儒教という教えは、昔から「修己治人(しゅうこちじん)」の教えとして知られています。これは、「まず自分自身の心や行いを正しく整えること(修己)」と、「そのうえで他の人々を導き、世の中をよくしていくこと(治人)」の両方を重んじる教えだという意味です。つまり、儒教とは単なる個人の道徳的な生き方にとどまらず、広く社会や国家の在り方、つまり政治の考え方までを含んだ、大きな視野をもった思想なのです。
このように、儒教は一人ひとりの人間の内面の修養から始まり、やがて家庭・社会・国家全体の秩序や調和へとつながっていくことを大切にしています。だからこそ、『論語』や『孟子』といった儒教の代表的な古典を読んでみると、人間とはどうあるべきか、社会をどのように導くべきかということが、具体的に語られているのです。それは単なる理想論ではなく、現実の人間社会をどう良くしていくかという、実践的で現実的な思想でもあります。
