『楽しくなければ会社じゃない』
オリエンタルランド取締役として東京ディズニーランドをプロデュースし、その成功を支えた堀貞一郎氏の名著。
大好きな森岡毅さんが復活させたUSJはマーケティング力を見ることができるが、私はどうしてもオリエンタルランドの組織と個人の力に惹かれる。
『楽しくなければ会社じゃない』で堀さんが紹介している、私も今でも色んな方にご紹介するエピソード。
「それは、ディズニーランド内のあるレストランで、若いご夫婦から、お二人の食事以外に「お子様ランチ」を注文された1人のキャストのお話です。
その店では、「お子様ランチは8歳以下にしかお出ししない」ことになっていました。そこで、従業員は、「どなたが召し上がるのですか」を尋ねたそうです。
ちょっとした沈黙の後返ってきた答えに、彼女はハッとします。なぜなら、それはお2人の亡くなられたお子様のものだと分かったからです。
お母様のお話では、その日は亡くなられたお嬢様のお誕生日だったとか。いつかは家族3人でディズニーランドに行こうね、と約束していたそうなのですが、それが果たせないまま、お嬢様はお亡くなりになられたのだそうです。
「もし、可能なら、ここのお子様ランチを、娘に食べさせてあげたいと思って、お邪魔したんです…」
そのお話にキャストは、こみあげてくる涙を湛えて、精一杯の笑みを浮かべ「承知しました」と言うと、4人掛けの席に子供用の椅子まで用意し、「3名様こちらにどうぞ」とお2人をご案内したといいます。
その間、上司に相談もせず、瞬時の対応だと聞いています。
「本日はよく来てくださいました。ご家族で楽しんでいってくださいね」
お2人はそれはうれしそうに涙を浮かべ、お子様ランチを囲みながら、お食事をされていったそうです。」
ご紹介する私が涙ぐむほどのエピソード。
ディズニーランドに行くことにしよう。