「修身」の度合いを心理学的に考察した人に、
薄衣佐吉氏(故人)がいる。
氏は心は発達するものであり、
七つの段階があるという。
第一は自己中心の心。
赤ちゃんがそれである。自分の欲求だけに生きている。
第二は自律準備性の心。
幼稚園児の頃である。用事を手伝ったりする。
第三は自立力の段階。成人を迎え自立する。
第四は開拓力の時代。困難に立ち向かい、
開発改善していく力を持つ。年齢的には30〜40代か。
第五は指導力。40〜50代になり部下を指導していく。
第六は包容力。好き嫌いを超えて人を包容していく。
そして第七は感化力。その人がいることで
自ずと感化を与える。最高の状態といえよう。
人間、晩年にはかくありたいものだ。
『長の十訓』(藤尾秀昭・著)