普通のOLから、フジサンケイグループの
女性取締役に抜擢された平田静子さん。
きっと入社当時からバリバリ仕事を
されていたのだろうと思う方も多いと思います。
ところが、平田さんの場合はちょっと
違っていたようです。
平田さんが仕事に向き合う姿勢とは——。
——入社当初はどんな思いで
仕事をされていましたか。
私は人が喜んでくれることが自分にとって
嬉しいことに気がついたんです。
与えられる仕事はお茶くみや
電話取りなどの事務仕事なんですが、
例えばお茶くみも、この人には濃いお茶、
この人には薄いお茶と好みを踏まえて出すんです。
それで「お静ちゃんが入れたお茶は美味しいね」って
喜んでくれるとすごく嬉しいんです。
コピーだってそう。
色の濃淡はどれが見やすいか、
左右どっちで留めたら読みやすいか、
人がどうやったら使いやすいかを
自分のできる限りの中でやる。
その都度相手が感謝してくれたりすると、
それが自分の喜びになるんです。
——仕事に不満を覚えることはありませんでしたか。
自分の性格を分析すると、すごく素直なんです。
ですから、仕事を命じられて、
何でこんなことをやらなきゃいけないのかとか、
一ミリも思わない。
学校の勉強はあまりできなかったけれども、
通信簿で「素直です」という評価だけは
必ずもらっていましたね(笑)。
どんな仕事も素直に引き受けて、
相手に喜んでもらえるように一所懸命やっていると、
次にどんな現象が起きるかというと、
「じゃあこれもやってみる?」って
少し難しい仕事もやらせてもらえるようになるんです。
「一つ上の仕事を招き寄せる心構え」
平田静子(ヒラタワークス社長)