ホセ・ムヒカ(ウルグアイ元大統領、世界でいちばん貧しい大統領)
私は貧乏ではない。質素なだけだ。
私は持っているものだけで贅沢に暮らすことができる。
本当に貧しい人とは多くを持たざる者ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ。
大統領は多数派が選んでくれたんだから、多数派と同じ水準の生活をしなきゃいけない。
大統領官邸に住んで42人の職員を雇うぐらいなら、私は住まず、その予算を学校のために使いたい。
ネクタイは男らしさの虚栄の現れだ。私にとっては役に立たない雑巾である。
世界を変えられるわけではないが、あなた自身は変わることができる。
人生で最も重要なことは勝つことではない。歩み続けることだ。
本当に日本人は幸せなのか?
日本にいる子供たちよ。君たちは今、人生で最も幸せな時間に生きている。経済的に価値ある人材となるための勉強ばかりして、早く大人に成長しようと急がないでほしい。遊んで遊んで、子どもでいられる幸せを味わってほしい。
政治とは、すべての人の幸福を求める闘いである。
本当のリーダーとは多くのことを成し遂げる者ではなく、自分を遥かに超えるような人材を育てる者である。
人類は、自分たちが作った消費社会という大きな力をコントロールしきれず、逆にコントロールされている。
私たちは産業社会に振り回されている。
私たちは経済発展のために生まれてきたわけではない、幸せになるために地球に生まれてきたのだ。
残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなのために世界を良くしていこう」というような共存共栄の議論はできるのだろうか?いったいどこまでが仲間で、どこからがライバルなのか?
西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費水準を世界70億~80億人の人ができるほどの原料がこの地球上にあるのだろうか?
ロボットが人類の快適さのために働いてくれるなら、それは人類にとって素晴らしいことだ。「人間は働く動物だ」と言ったのは誰なのか?人間は必要に迫られて働くことを学んだのだ。原始人について私が知っていることはほんのわずかだが、彼らはできる限り短い時間、1日に2時間ぐらいしか働いていなかった。人間が労働者だと信じるのは非合理的なのだ。
人間の命は奇跡です。私たちは奇跡によって生かされているのであり、命以上に価値のあるものは何もありません。そして私たちの生物学的な義務は、何よりもまず命を尊重し、促進し、世話し、繁殖させ、そして人類とは私たち自身であることを理解することです。
大国も多国籍企業も、ましてや金融システムも世界を統治すべきではありません。私たちに必要なものは、科学的な知恵と結びついた高度な政治力、つまり利益ではなく未来を追求できる科学力なのです。権力への関心ではなく知性なのです。
何かを買うとき、お金で買うのではなく、そのお金を稼ぐために費やさなければならなかった人生の時間で買っているのです。唯一買うことのできないものは命です。命を浪費すること、命を費やして自由を失うことは惨めなことです。
我々はいにしえの神々を犠牲にし、マーケットの神を神殿に据えてしまった。マーケットの神は経済、政治、習慣、生活を組織化し、我々の見せかけの幸せのために分割払いやクレジットカードで資金を調達してくれる。我々は消費するためだけに生まれてきたかのようだ。我々はグローバリゼーションをコントロールできているのか、あるいはグローバリゼーションが我々を支配しているのか?我々が直面する問題は計り知れない規模に達し、その危機は環境問題ではなく政治問題である。今日、人間は自らが解き放った力を支配しているのではなく、むしろ自ら解き放った力が人間を支配している。
間違えないでください。私たちの分断が深まるほど、私たちは支配されてしまいます。ですから学ぶこと、そして時間を無駄にせず民主主義を大切にしてください。民主主義は完璧ではなく欠陥だらけです。それは私たち人間に欠陥があるからです。でも今のところ、それ以上のものを見つけられていません。だからこそ、失うのは簡単ですが、取り戻すのは難しいのです。民主主義を大切にしなければなりません。
この国の少年少女たち、若い人たちに人生は美しく過ぎ去り、消えていくものだということを伝えたい。人生で成功するには失敗するたびにやり直すことが肝心だ。そして怒りがあれば、それを希望に変えること。
我々はあの世に何も持っていけない。だから後世に教育を残すのだ。
※ホセ・ムヒカ大統領は昨年5月13日、89歳で逝去しました。