【 逆なんです 】
仏教のなかには、
「 托鉢 」という行があります。
笠をかぶったお坊さんが、
手に鉢をもって家々を回り
お布施を頂くという行です。
お釈迦さまは、
托鉢に向かう弟子たちに
こう言ったんです。
「 お金持ちの家ではなく、
貧しい人たちの家を周って
托鉢をしてきなさい 」
普通、
お布施をいただくんですから、
お金持ちのところに行くのが
常識ですよね?
しかし、
お釈迦さまの思いは
別のところにありました。
貧しい人がなぜ貧しいのか
それは、
自分のためにしか
お金を使わないからであり
その人たちに
与える喜びを味わってもらう
機会を生みだすのが、
托鉢の真の目的だったのです。
友人の絵本作家の
のぶみさんが
こう教えてくれました。
神社のご神体が鏡なのは
なんでだと思いますか?
鏡は、
「この世界はすべて逆なのだ」
ということを教えてくれているんです。