「而今」(にこん)
道元禅師のお話です。
ある時、病気の明全和尚を見舞いにいこうと仏殿の前を通ると、
炎天下の中、典座の用和尚が瓦敷き上に椎茸を干しておられた。
杖をつきながら汗だくになって作務に余念がない。
道元禅師は用和尚に歩み寄り、
「ご高齢のご老師がそんなことをなさらずとも、誰か若い修行僧にやらせてはいかがですか」
と声をかけるました。
すると用典座和尚は、
「他は是れ吾れにあらず」(他人のしたことは、私のしたことにはならない)
と厳しい言葉が返します。
道元禅師はさらに、
「その通りです。それではこんなに暑さの厳しい時になさらなくてもよろしいのでは?」
と言うと、用和尚は毅然として、
「更にいずれの時をか待たん」(今この時を逃して、またいずれの時を待つというのか)
と答え、ひたすら作務に専念されたといいます。
他人ではなく“自分自身”、
あとではなく“今”、
それが私たちの生きていく現実であり、道元禅師はこれを「而今」(にこん)と言われました。
他人がしたことは自分がしたこととは違う。
後回ししたら、後回しした時にやるべきことも更に後回ししなくてはならなくなり、結果的に全てを後回しにしてしまうことになる。
今、自分にできることを全力で全うする!!!
「而今」の精神ですね♪
※魂が震える話より