「ありがとうの反対は」
ありがとうの反対語など、
今まで考えたこともなかった。
教えてもらった答えは…
「あたりまえ」
「ありがとう」は漢字で書くと「有難う」
「有難(ありがた)し」という意味だ。
あることがむずかしい、まれである。
めったにない事にめぐりあう。
すなわち、奇跡ということだ。
奇跡の反対は、「当然」とか「当たり前」
我々は、毎日起こる出来事を、
当たり前だと思って過ごしている。
歩けるのが、あたりまえ。
目が見え、耳が聞こえるのが、あたりまえ。
手足が動くのが、あたりまえ。
毎朝目覚めるのが、あたりまえ。
食事ができるのが、あたりまえ。
息ができるのが、あたりまえ。
友達といつも会えるのが、あたりまえ。
太陽が毎朝昇るのが、あたりまえ。
うまれてきたのが、あたりまえ。
夫(妻)が毎日帰ってくるのが、
あたりまえ。
そして…
生きているのが、あたりまえ。
また、ある夫婦の話もしてくれた。
晩酌の時、いつも無口の夫が、
「ちょっと、お酌してくれないか?」
と珍しく妻に言った。
台所の片付けをしていた妻は、
「今、忙しいから自分でやって」と答えた。
夫は少し寂しそうだったが、
手酌で酒をついだ。
その、2~3時間後、夫は急に倒れ、
救急車で病院に運ばれ、
帰らぬ人となってしまった。
それから、妻は、
何故あの時、
夫にお酌をしてあげなかったのかと、
ずっと悔やんだという。
あの時何故、もっと、
優しい言葉で、
こぼれるような笑顔で、
感謝の言葉で、
接することができなかったのか…
誰しも、
今日と同じ日が明日も繰り返されると思う。
今日、
誰かと出逢い、話し、笑い、
食事をして、
仕事ができる。
こんな当たり前だと思うことが、
本当は奇跡の連続なのだ。
「有ること難し」
生きて、出逢う、という奇跡の連続に、
「ありがとう」を言わずにいられない。