心を込めて仕事をする

私たちはよく「心を込めて仕事をする」
ということがありますが、
具体的にどうすることが
「仕事に心を込める」ことだと思いますか?

そして、どうすれば「心を込める」ポイントが
見えてくるのでしょうか。

本日は、世界一清潔な空港に認定された
羽田空港の清掃を支える日本一の清掃員
新津春子さんの仕事術に学びます♪

新津 その頃(清掃の仕事に就いた当初)は
「とにかく仕事を人一倍頑張れば、
皆が認めてくれる」と必死でしたから、
自分中心だったんです。

心を込めて清掃するとか、そういう考えは
一切ありませんでした。

入社から3年経った時、私は
全国ビルクリーニング技能競技会に
会社の代表として出場することになりました。

全国大会の前に予選大会があって、
私としては100%出し尽くしたんですけど、
2位だったんです。

その結果に納得がいかなくて、
常務に「何がいけないの?」ってぶつけると、
ひと言「気持ちを込めていない」って。

私が「どうやって気持ちを込めるの?」
と聞くと、

「急ぐあまり道具を使ったら
ポンポン投げるように置いているでしょう。

それが気持ちがないってことだよ。
道具をつくった人が見たらどう思う?」

もう返す言葉がありませんでした。

そこから全国大会までの2か月間、
私は道具や物も人だと思って、
使ったら「ありがとう」って言いながら
置くようにしていきました。

ただ、常務は「自分で考えろ」という感じで
細かいことは教えてくれない。

「気持ちを込めるにはどうしたらいいか」
って毎日考えていました。

ある日、お客様の動きをずっと見ていると、
答えが分かったんですよ。

記者 何でしょうか。

新津 空港を利用する人は年齢層も職業も
当然バラバラですよね。

会社員、主婦、障碍者、子供、
ご年配の方……。

それぞれのタイプによって
動きが違うんですよ。

ということは、例えば同じテーブルを
使うにしても汚れる場所、汚れ方は
それぞれ違ってくる。

そうやって考えていくと、
子供が使うとこう汚れるのか、
ご年配の方の場合はこうだ、
ということが分かってきて、
使う人のことを見据えて掃除のやり方を
工夫できるようになったんですよ。

その結果、2か月後の全国大会では
日本一を獲得することができました。

27歳での優勝は最年少記録だったと
聞いています。

それからですね、自己満足の清掃ではなく、
お客様のためにする清掃に転換したのは。

「気持ちを込める」という
自分に欠けていたものに気づいてから、
清掃技術の向上だけに留まらず、
もっともっと自分を高めていこうという
意識に拍車がかかりました。

一つずつ目標を立てて、努力して、
達成して、また新たな目標を立てる。

その喜びがやみつきになって、
いつしか清掃の仕事が自分の居場所だと
感じるようになりました。

そして5年後には、羽田空港で働く
全職種のスタッフの中から、
年に一度お客様の声によって選ばれる
「CS推進年間優秀賞」
「CS推進キャンペーン優秀賞」を
ダブル受賞したんです。

実は、今年度12年ぶりに
両方の賞をもらうことができました。


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