孔子が求めた徳治政治

『論語』というと、

どこか堅苦しいイメージがありますが、

その教えはとてもシンプルです。

 

本日はあまり知られていない

孔子の家庭観を紹介します。

 

孔子は言います。

 

「若者たちよ。

 家庭にあっては親に孝行し、

 外では目上の人や年上の人に対して

 素直に従い、

 行動は慎重にして、

 言葉に責任を持ちなさい。

 

 人を慈しみ、

 学徳ともに立派な仁者に親しみ、

 それらを行った上で余裕があれば、

 書物による学問に

 向かうのがよいだろう」

 

と。

 

何をなすにしても、

まずは一人の人間として

家庭内の人間関係、

身近な人たちとの関わりを

大事にしなくてはいけない

ことが分かります。

 

また別の章句では、

ある人から

 

 

「先生はなぜ直接政治に

 携わろうとしないのですか」

 

 

と質問された孔子が、

 

 

「『書経』という書物に、

 『親には孝行を尽くし、

 兄弟仲良くすれば、

 それが自ずから政治をなすことである』

 と書かれている。

 家庭生活をよくするのもまた政治である。

 どうしてあえて政治に携わる必要が

 あるだろうか」

 

 

と答えている場面があります。

 

家庭がすべての人間関係の

基本ということです。

 

そこに力を尽くすということは、

実は政治に参加していることに

なるのです。

 

徳のある人たちが集まっていれば

自ずといい国になる、

ということなのでしょう。

安岡定子(こども論語塾講師)

 

 


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