健康であることは非凡なことである

今日最高の学問、医学をもってしても
今日元気でここにおるということを
完全にとける科学者は、
世界に一人もないのであります。

みな当たり前だと思っておるのは、
大勢の人がそうだから、
当たり前と思っておるだけであります。

実は平凡というものが非凡なことである。

しかし、とかく我々は
そういうふうには考えません。

あそこにもここにも
たくさん人間がおって等々、
考えがちになるのでありますが、
しかし年の暮れとかはじめとか、
そういう際にあらためて
今日元気である」という平凡げなこと──
一見平凡なことが、
実は世界第一の学者でも
本当は説明ができないような
不思議なことである、
非凡なことであるということです。

『平澤興講話選集「生きる力」』(平澤興・著)
第4巻「生き方の知恵」より

著者プロフィール
…………………………

ひらさわ・こう——【1900年〜1989年】
明治33年新潟県生まれ。脳神経解剖学の世界的権威。幼時より医師を志し、
第四高等学校、京都帝国大学医学部卒業。昭和21年京都帝国大学教授。
32年から京都大学総長を2期6年間務める。38年京都大学総長を退官し
同大学名誉教授。45年勲一等瑞宝章受章。平成元年没。著書に
『生きよう今日も喜んで』(致知出版社刊)などがある。


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