【偉人】生命とは

先月刊行された、 全盲ろうの東大教授・

 福島智先生の新刊『ぼくの命は言葉とともにある』が

『毎日新聞』のコラム「余録」で6月7日に

 紹介されました!

 

 刊行から日が浅いにもかかわらず

 続々と反響が寄せられている本書から

 福島先生が美しい命の関係性を感じた

 吉野弘さんの詩をご紹介いたします。

 

生命(いのち)は

 

               吉野弘

 

 

  生命は

  自分自身だけでは完結できないように

  つくられているらしい

  花も

  めしべとおしべが揃っているだけでは

 

  不充分で

  虫や風が訪れて

  めしべとおしべを仲立ちする

  生命は

  その中に欠如を抱き

  それを他者から満たしてもらうのだ

  世界は多分

  他者の総和

  しかし

  互いに

  欠如を満たすなどとは

  知りもせず

  知らされもせず

  ばらまかれている者同士

  無関心でいられる間柄

 

  ときに

  うとましく思うことさえも許されている間柄

  そのように

  世界がゆるやかに構成されているのは

  なぜ?

 

  花が咲いている

  すぐ近くまで

  虻の姿をした他者が

  光をまとって飛んできている

 

  私も あるとき

  誰かのための虻だったろう

 

  あなたも あるとき

 

  私のための風だったかもしれない

 

 

 『ぼくの命は言葉とともにある』(福島智・著)

 

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